地盤の安定を確保すること、土の安定を確保するためには「土の性質」を知ることが重要です。地盤改良も大切ですが、本来持つ土の支持力、透水性など、自然災害、地震から耐える地盤づくりを考えましょう。
関東ローム土
関東ロームは赤土(あかど・あかつち)とも呼ばれ、関東地方の火山から関東平野に降下した火山砕屑物や堆積物の総称です。
黒土(くろつち)は赤土の表層部にあり、有機物含量が多く、土壌発達した土です。「黒ボク」とも言います。
赤土は「含水による土質の変化」を特徴とする土です。
造成工事において、赤土を盛土材料(ほぐし土)として「締固め転圧」する際、搬入時の「土のコンディション」がとても重要で、乾燥した状態(単位体積重量12~14kN/m3)で搬入、盛土、締固めするのがベストです。
含水飽和状態(単位体積重量16~18kN/m3)で締固め施工をすると転圧機械(ブル・ローラー)によってこねくり返し、十分な締固めが不可能な状態になります。
このような状態で盛土を続けると、地盤強度の低下、含水による軟弱化、膨張、締固め効果は得られません。
粘性土、シルト
国土交通省 土工基準によると、粘性土、粘土、シルトの区分でN値の目安は、固いもの(N=8~15)、やや軟らかいもの(N=4~8)、軟らかいもの(N=2~4)となっています。
また、重機などのバケットに付着しやすく、空隙の多い状態になり易いもの。トラフィカビリティの問題になり易いもの。とあるように、盛土材料としては難しい土です。地山の状態で単位体積重量16~18kN/m3、地盤調査報告などでもN値は0に近い数値、含水が多く、軟弱地盤によくみられます。SS試験において、100kg荷重で自沈する粘性土地盤、換算N値=3以下は一般的に軟弱地盤といわれます。
砂・砂質土
砂、砂質土は砂岩、砂礫、山砂、川砂、堆砂など多種多様です。岩石が風化、浸食、運搬される過程で様々な環境下でみられます。粒径による分類では、極粗粒砂、粗粒砂、中粒砂、細粒砂、極細粒砂の5種類。
地山の状態で砂の単位体積重量18~20kN/m3、砂質土の単位体積重量17~19kN/m3。造成工事における埋戻し材料は「山砂」を使用します。
土丹(ドタン)
土丹は砂質粘土が堆積し長年にわたって固く凝固した土です。色は青味がかったグレー色が多く、岩盤のような硬い土質です。また、泥岩および固結シルトとも言われ、盛土材料として埋戻しに利用すると沈下発生の危険があるので注意が必要です。
礫(レキ)
レキは砕石とほぼ同じ単位体積重量です。地山の状態で単位体積重量18~20kN/m3。
地盤の種別と強さ
地盤種別 | 地盤の種類 | 画像 | 地盤周期 Tg(秒) |
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第1種地盤 | 岩盤、砂質砂礫層、その他主として第3紀以前の地層によって構成されているもの。 または地盤周期などについての調査もしくは研究結果にもとづき、これと同程度の地盤周期を有すると認められるもの。 | Tg ≦ 0.2 | |
第2種地盤 | 第1種地盤および第3種地盤以外のもの | 0.2 < Tg ≦ 0.75 | |
第3種地盤 | 腐植土、泥土その他これらに類するもので大部分が構成されている沖積層(盛土がある場合においてはこれを含む)で、その深さが概ね30m以上のもの。 沼沢、泥海などを埋め立てた地盤の深さが概ね3m以上あり、かつこれらで埋め立てられてから概ね30年経過していないもの。 または地盤周期などについての調査もしくは研究結果にもとづき、これらと同程度の地盤周期を有すると認められるもの。 | 0.75 < Tg |
昭和55年建設省告示 1793号第2より