造成地盤
造成工事において「造成計画図」は、現況高さ(造成前の地盤高さ)と計画高さ(造成後の地盤高さ)が明記されており、この高さの差より切土造成か盛土造成の区別を読み取ることができます。
※造成計画図 参考資料PDF
※造成工事施工状況 地盤GALLERY
不同沈下
軟弱地盤における不同沈下現象について 軟弱地盤上の建物は土の圧密沈下などの原因により建物が沈下します。
建物全体が沈下する際、一部の箇所が偏った沈下し建物が傾く現象を「不同沈下」現象といいます。
原因はいくつかありますが 造成工事の際、切土、盛土の境界線をまたいで基礎をつくった場合、 その切盛境界線から盛土側に沈下をする恐れがあり、地盤改良などの対策が必要です。
特に、ひな壇造成地の擁壁工事埋戻しの際、 不十分な締固めが原因による地盤の沈下現象が発生します。
「不同沈下」現象が発生しやすい造成地は
1.水はけの良くない造成地盤
2.埋戻し材の中に産業廃棄物(木の根っこ、ガラなど)が混入している造成地盤
3.田んぼ等の農地を宅地に転換した造成地盤
4.切り盛り境界線(特に1次造成においては造成計画図で確認できる)
5.擁壁工事埋戻し工において埋戻し材の締固めが不十分(転圧不足)な造成地盤
不同沈下による建物被害の進行段階と変形角の限度
段階 被害状況 変形角の限度
傾斜の限度
初期段階 モルタル外壁や犬走りなどのコンクリートに亀裂が生じる 1/1000
第1段階 束立ての床に凹凸が生じる。
布基礎や土間のコンクリートに亀裂が生じる。3/1000
第2段階 壁と柱の間に隙間が発生。
壁やタイルに亀裂が生じる。
窓や出入口枠の接合部に隙間が生じ、犬走りやブロック塀など
外部構造物に障害が生じる。5/1000
第3段階 柱が傾き、建具の開閉がしにくくなる。
床が傾斜して支障をきたす。10/1000
最終段階 柱の傾斜が著しく倒壊の危険がある。
床の傾斜もひどく使用困難になる。15/1000
※資料:日本建築学会「小規模建築物基礎設計の手引き」より